絵日記ログ・クレア紹介3
 前回の復習から。

・生まれつき病弱で、部屋から出られない生クレアは、自由に外を歩き回れる分身としてクレアを生み出す
・生クレアの村は戦火にのまれ、生クレアは火事で亡くなる
・生クレアはクレアに「私の分も生きて欲しい」と遺言する
・クレアは自分の出生について他人に言うことが出来ない ←これ重要!
・クレアは生まれの特殊性故に幻術を扱え、すごい魔道士に成長する

 魔界中を旅しながらクレアはすごい魔道士に成長します。すごい魔道士ってどんなだよって思うかも知れませんが、他に言いようがないというかスイマセン。クレアはただすごい魔道士ってだけでなく、生クレアの才能を引き継いで、創成魔道があつかえるところがポイントで、そのために創造主からお声がかかるのです。
 創造主は、だてでん世界を創成魔道によって造りだした人物です。魔界を造り、人間界を造り、それぞれに住む人々を造り出しました。創造主は創造主で、自分の生まれた世界があるんですが、その世界も別の創造主によって造られたものなのです。だてでん世界の創造主は、自分の生まれた世界の創造主からお声がかかり、「お前次の創造主になって世界つくってみなよ」って言われて、だてでん世界を造りだしたのです。そして、だてでん世界の創造主も、次の世界を造り出せるような優秀な魔道士を、だてでん世界の中で探しているのです。
 創成魔道があつかえるクレアは、創造主の目に止まりました。創造主はクレアを呼び出して、次期創造主になって欲しいと頼みます。でもクレアは、自分はまだ未熟者で、死んだ生クレアの代わりに世界中を見て回ることもまだ出来ていないし、創造主になるなんてのは無理と答えます。創造主はそれを聞いて、今すぐにじゃなくてもいい、クレアがだてでん世界に充分満足したら、新しい世界を造る仕事について考えて欲しいと言います。
 創造主は次期創造主を探すと共に、自分の手足となって働いてくれるような部下を欲していました。なのでクレアに、自分の部下になって、平時は好きなように旅していいから、有事の時は自分のために働いて欲しいと頼みます。創造主の部下になることは、クレアにとっても悪い話ではなかったので、クレアは創造主の部下になります。
 さて、創造主は、クレアの他にも次期創造主候補として目をつけている人物がいました。ここでピンと来てもらえたら嬉しいのですが、その人はエリさんです。エリさんは生まれつき魔道の才に恵まれていて、創成魔道の素養もありました。ちゃんとした訓練とかは受けてなかったけど、創造主にとっては超優良株でした。ただ、エリさんは家庭の事情がアレすぎて、創造主はそのことを心配していました。創造主は自分の力の強さを自覚していて、エリさんをあの家から助け出す力を持っていても、それをしてしまえば世界が壊れてしまうことが分かっていたので、エリさんがどんなに非道い目にあっても指をくわえて見ているしかなかったのです。
 そして、創造主が指をくわえて見ているうちに、エリさんの家庭は崩壊します。虐待され精神的に追い詰められたエリさんは、滅びの魔道を暴発させ、家族はおろか自分の住んでいた村まるまる消し去ってしまうのです。滅びた村でひとりきりで何日か過ごすうち、エリさんはすっかり精神を病んでしまって、もう死のうと思います。
 創造主はこれはまずいと思いました。出来ることなら、エリが自力で立ち直って、普通に生活できるようになるのが一番ですが、そううまく行きそうにありません。創造主はこのまま放って置いてエリが死んでしまうのは惜しいと思いました。創造主はクレアに頼んで、エリを助けて欲しいと言います。
 クレアは創造主に頼まれて、エリの元へと現れます。クレアはエリを見て、創造主と同じように、この才能が惜しい、と思うのです。(どうもクレアって、他人のことを才能で計る傾向にあるんですよね……) クレアはエリの精神がボロボロなのを知って、戸惑います。クレアはホントに未熟者なので、虐待されて傷ついた女の子の扱い方なんて知らないのです。エリが自分にはもう生きている意味なんて無いと言うので、生きる意味なんてたくさんある、例えば復讐のために生きるなんていうのもあるよね、と言ってみます。とにかく私と一緒に行こうと、クレアは手を伸ばすのですが、エリはクレアの手をとることはなく、移動の魔道で逃げてしまいます。クレアは一生懸命エリを探しましたが、エリを見つけることは出来ませんでした。
 エリはクレアの言葉を真に受けて、この世界に復讐することを、自分の生きる道とするようになってしまったのです。この後エリさんがどうなるかは、以前さんざんやったので、ログの方を見て下さい。クレアは自分の言葉で、エリに道を誤らせてしまったことを、とても悔いていました。エリに対して、責任を感じるようになったのです。

 さて、だてでん世界の創造主はヘッポコなので、その造りだした世界は不安定で、空間に歪みがあり、あちこちほころんでいました。創造主は世界を安定させるために、補強のための魔道システムを造ります。魔界、人間界にそれぞれ1つずつ、空間制御システムを造りました。創造主は空間制御システムに魔力を供給する人物として、魔王と天帝を配します。魔界の空間制御システムは、魔界の中心に魔王城を建てて、そこに置き、魔王もそこに住まわせました。でも魔王も一人きりでは暮らしていけません。創造主は、魔王と一緒に暮らし、魔王をお世話し守るような人物を欲していました。
 魔王の身の回りの世話は、緑月さんという人に頼んでいました。あとマインドマスターと恐れられるすごい魔道士(またか)のエイジ君とかが、創造主の命で魔王を守ってくれたりしてました。エイジは創造主の部下というわけではなく、自分にとって利になる場合だけ協力してくれるような立場の人で、創造主も魔王もエイジに完全に気を許せるわけでは無かったのです。緑月さんはエイジよりは従順でしたけど、脱サラしてお花屋さんを営むのが夢で、ずっと魔王城にいるつもりは無い様子でした。こんな様子なので、創造主はもっと魔王と仲良くなってずっと魔王を守ってくれるような人が欲しかったのです。創造主はクレアがその役目を担ってくれないかと考えました。クレアに魔王の部下になって欲しいと頼んだのです。
 クレアは、創造主の部下になった後も、あちこち旅してまわっていました。そしてとりあえず旅はもういいかなという気分になっていました。なので魔王城に定住して、魔王の部下になるのも悪くないと思ったのです。

 魔王、魔王って言うけど、魔王はみんな大好きアイミさまですよ、もちろん。基本的に私が「みんな大好き」という時、みんなの内訳は私なんですが(それはみんなって言わない)、アイミさまの前につく「みんな大好き」の「みんな」には、だてでん世界の全ての人という意味合いになったりならなかったり。(何)
 アイミさまの身の上話もしたいけど、詳しくやると大変なことになるんだよなあ……どこまでそれるかちょっと不安なので、やめとこ。
 なんつーか、創造主は魔王と天帝がだいだい大好きなんですよ。創造主はいろんなものや人を造りだしたけど、アイミ(魔王)とゆうた(天帝)だけは特別なんです。創造主が彼ら2人を魔王と天帝にしたのも、そのために2人を造りだしたからと言うわけではなく、致し方なく、手放したという感じなのです。かわいいかわいい2人を離ればなれにして、キツイ仕事させるのは不憫だなあと創造主も思っていました。だけど、その仕事を出来るのが、アイミとゆうたしかいなかったから、仕方なかったのです。
 だから、創造主は、アイミとゆうたが心配で、「世界中のみんなから愛される」という、呪いみたいなものをかけてあるのです。ここで呪いって言葉を使うのはなんかヘンかも知れませんが、私は愛と呪いは紙一重だと思ってるんで、スイマセン。まあなんというか、おまじないみたいなニュアンスの方がいいのかも知れませんが、創造主がやるおまじないってのは、ものすごい強力なんですよ。呪いのように強力なんです。
 だてでん世界の、特に魔界の住人は、アイミさま大好きです。日頃「魔王なんて……」と思っていたとしても、アイミさまを目の前にすると大好きになっちゃうんですよ。
 そんなわけで、クレアもアイミさまを大好きになります。(オイ)

 クレアは最初は「魔王の部下になるのも悪くない」程度の気持ちでしたが、アイミと顔を合わせたら、すっかりアイミのことを好きになります。アイミにとってもクレアはよい相手でした。エイジはなれ合いが嫌いなので仲良くしてくれないし、緑月さんはすごく年上のお姉さんなので甘えることは出来るけど、一緒にキャイキャイするような感じでは無かったのです。まあなんというか、アイミは振り回し系のヒロインなんですが、エイジや緑月さんは無理だけど、クレアは振り回されてくれるんですよ。(オイ)
 クレアにとって大本となる人間関係って、生クレアとの関係で、生クレアはクレアにとって、同年代の女の子同士の友達みたいな雰囲気と、自分を造りだしてくれたマスターであり守り仕えるべき相手という両方の要素を併せ持つ関係なんだよね。そして、クレアは事故でその人間関係を失って、生クレアを喪ったことをずっとずっと引きずって生きています。彼女を喪った喪失感を埋めるような人物を求めているわけです。
 で。アイミというのは、クレアからしてみたら、喪失感を埋めてくれるような相手だったんですよ。同年代の友達のようにキャイキャイしてくれるし、かつ、主従でもあり、っていう。クレアはアイミに出会って、アイミを大好きになるし、命をかけてこの人を守りたいって思うようになるのです。

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