エレクトラ 400 AVの製作
QRP製のミニモグラ、エレクトラ 400をエルロン仕様のVテール機で製作します
第1回QRPミニモグラ大会が、96年10月13日にクロスウインドフライヤーズクラブ飛行場で行われました。
この日の競技終了後のお楽しみ抽選会で、エレクトラ 400のキットが当りました。
私に当ったのはホントはパイロン機のキットだったのですが、エレクトラ 400を当てた人が既にそれを持っていたので交渉したところ、交換してもらうことが出来ました。
操舵方法の選択
エレクトラ 400は、この日以外にも別の大会などで見ていましたから、キットそのままに作れば性能の良いモグラになることは分かっていました。
そこでちょっと違う機体として作ることにしました。
まずエルロン機とします。
これはラダー機ですと主翼には上反角が必要ですが、そのために実効面積が少なくなってしまうので、可能な限り主翼実効面積を大きくするためです。
そしてエルロン機にも弱点がありまして、それは舵を切ったときに主翼の翼型が変化して効率を損なってしまうことです。
それらの点を考え合わせて、いつかラジコン技術誌のグラビアで見たSAMURAIというグライダーの操舵方法を使ってみることにしました。
SAMURAIというのは米国シグ社から出ているスロープグライダーで、その操舵方法は左右それぞれの主翼全体をカンザシを中心にひねるもので、逆位相で動かすことによってエルロンとして動作します。
そして同位相でひねってエレベータとして動作させるもので、このコントロール方法を、シグ社では「ピッチロン」と呼んでいます。
|
|
胴体構造の選定
この操舵方法とするために、サーボの搭載位置とリンケージについてはいろいろと考えました。
そして、胴体をポッド+ブーム構造としてそのポッド部分の後部にサーボを積み、ワイヤによって主翼後端部を上下させることにしました。
着陸時などに主翼が何かにぶつかったりすると、サーボに大きな力がかかることが予想されますので、サーボにはメタルギアのマイクロサーボを使います。
また、主翼は翼根側スパーにカンザシ受けの真鍮パイプを入れて、左右をそれぞれ真平らに作ります。
ブーム部はカーボンのテーパーパイプを使い、重心位置近くに直径5mm程度の鉄製カンザシをしっかり接着します。
カーボンパイプは下側しか接着出来ませんので、カーボンロービングで胴枠とパイプをしばりつけた後に接着剤で固定しています。
|
|
|
尾翼部の製作
尾翼は最近のトレンドとなっているVテールとしますが、キットに入っている水平尾翼の安定板を作った後に、左右に分割して使います。
このときバルサがかなり柔らかかったので、ハードバルサでV部分付け根を作りそれにキットのバルサを接着します。
なお、V字の角度は120度くらいとします。
機体のコントロールを主翼だけで行いますので、尾翼には動翼がありません。
|
|
パワーユニット、プロペラなど
パワーユニットはグラウプナーのSPEED 400(6V)とバッテリー AR 500mAh 6セルです。
SPEED 400(6V)を7セルで使うと6*3フォールディングプロペラで、13アンペアも電流が流れます。
そのまま地上で回し続けるとモーターを壊してしまうそうです。
これではちょっと流れ過ぎという気がしてましたので、今回は6セルとしてみました。
実際に飛行させてみると抗力の少ない機体のようで、6セルでも引きは悪くないです。
なお、プロペラはエアロノートの6*3フォールディングプロペラを使いました。
|
|
機体の諸元
完成した機体の主なスペックです。
・全長--------780mm
・全幅-------1,450mm
・主翼面積----22.3dm^2 (7.8%)
・全備重量----460g
・送信機------フタバFF8
・サーボ------フタバS5102*2
・バッテリー---AR 500mAh*6セル
・モーター-----SPEED 400 (6V)
・プロペラ-----aero-naut 6*3
|
|
ご注意
ここに紹介した製作方法は、この機体の設計者の意図に反して違う機体にしてしまう方法です。
したがってお薦めするものではありません。
また、仮にこのように製作してもうまく飛ばないこともあるかも知れません。
実際、私のこの機体は舵角不足で操縦性は悪く、慎重に飛行させています。
|